竜介

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竜介の最期

「だりゃあああああああっっ!!」緑の溢れるフロアの中に、竜介の裂帛の叫びが反響する。繰り出された竜介の左拳が、音をまとって唸る。かろうじて江波は体を捻らし、避けた。「でやああっ!!」続いて繰り出された縦の蹴撃は避けきれず、江波の鼻先を掠めた...
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竜介VS江波3

――新宿・高層ビル30階「起きろよ」 遠くで、声が聞こえている。竜介はうつ伏せに地面に倒れたまま、上から降ってくるその声を聞いていた。 腕を動かそうと力をこめた。動かない。 足を動かそうと力をこめた。動かない。 ――なんでだ? おれ、どうし...
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竜介VS江波2

「でりゃあっ」竜介の呼気がフロアに響いた。裂帛の気合とともに、青年は地を蹴って飛びかかる。拳を放つ。江波はそれをステップして軽く避わした。そのまま、竜介の脇に回り込む。竜介が反応する前に、ずむ、と内臓に響く肘を青年の横っ腹に叩き込んだ。「―...
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竜介VS江波1

――新宿・高層ビル30階「久しぶりだな、竜介」竜介が30階に辿り着くと、そこには江波が立っていた。待ち構えていたといった風情だ。フロアには、江波一人の気配だけしかしなかった。人海戦術はここで終わりか。一階の入り口から、無数のチンピラ達の暴力...
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竜介の敗北

暴力団に利用されて借金を背負った彼女を守るため奮闘する青年、竜介。 喧嘩が強く、ちんぴらたちを返り討ちにしていた竜介は、ある日、背後からの襲撃にあう――。 * * * 竜介は何かにつまずき、思いっきり前につんのめった。足がもつれ、空回りする...