壮太

小説

壮太の抗い

――新宿・高層ビル29階《壮太》意識の隅で響いていた低い振動音が、ぷつりと切れた。それとともに壮太を襲っていた何本ものロボットアームが、一斉に動きを止める。「……ぅっ」がしゃん、と錠の外れる音がし、X字に磔にされていた壮太の身体は開放された...
小説

壮太VSベア

――新宿・高層ビル20階「ふへへへ、竜介を助けに来たのか! 馬鹿が! 二人揃って血祭りにあげてやる!!」 刺客の男はそう言うと、巨躯に似合わぬ意外な俊敏さで、壮太の方へ踊りかかってきた。 更衣室で竜介のロッカーから脅迫状を発見してから、壮太...
小説

事件

五年前の記憶は、徹底的に壮太の男としてのプライドを苛んでいた。それは見知らぬ姉の恋人への憎悪となって壮太の中に根付いていった。 ――姉を差し出した男に、いつか自分が受けたのと同じ屈辱を味わわせてやる。 小学校を出て、中学を出ると、壮太はその...
小説

壮太の敗北

壮太が格闘技を習いはじめたのは、五年前の事件がきっかけだった。 五年前、まだ小学生のとき、壮太の姉は謎の男達に浚われた。二人で住んでいたアパートに、突如見知らぬ男達が押し入ってきて、力づくで姉を連れていったのだ。 壮太は何もできなかった。姉...